補助金適正化法をご存じだろうか。最近では国の補助金を不正受給したとして、大阪市の学校法人関係者が同法違反容疑で逮捕された事件が記憶に新しい

 ▼熱海市が老朽化したし尿処理場「大黒崎し尿管理センター」に替えて、公共下水道の処理施設「浄水管理センター」でし尿を処理することを決めた。当初は県境をはさんだ神奈川県湯河原、真鶴両町と共同で新処理場建設を計画したが、財政事情から凍結した懸案事業である

 ▼同市の新たな計画は新処理場を整備するケースに比べて投資額が約10分の1、運営費も相当低く抑えられる見通しという。ではなぜ最初から下水処理場での処理を計画しなかったのか。そこには補助金適正化法の規制があった

 ▼同法は補助金を交付した事業の目的外使用を禁じている。下水も、し尿も処理工程はほぼ同じ。法律と所管する官庁の壁に阻まれ、処理場を別個用意する必要があった。近年、法の運用見直しでし尿を下水処理場で一括処理することが可能となったのは朗報だが、無駄で効率の悪い公共事業の最たる例といえるだろう

 ▼熱海市は計画推進にあたって湯河原、真鶴両町にも共同処理を提案した。高効率の広域行政として成果を期待したい。