人の思い、風土が豊かな味を醸す―。先月末、朝日新聞の広告「シリーズふくしまをつくる06 酒」にあった福島の酒造りに添えられた言葉だ

 ▼1日は「日本酒の日」だった。近年、日本酒人気は幅広い世代に定着してきている。以前、東京で開かれたイベントで、多くの若者や女性の姿に触れ実感した。若い蔵元が増え、斬新なアイデアで新たな酒を生み出していることも要因という。海外にも「SAKE」を醸す蔵元たちがいる

 ▼福島県の酒は全国新酒鑑評会で5年連続金賞受賞数日本一を果たした。東日本大震災後、風評被害などを乗り越えての酒造りだったろう。東北の復興を願う酒も、各地の支援を得るなどして発売されている。会津若松市のNPO法人・素材広場のメンバーが、下田の黒船祭・開国市きずな広場に開いたブースで福島の地酒を誇らしげに紹介していた

 ▼数年前に酒縁を得た都内の友人に連絡して先月、上京した。浅草・観音裏の居酒屋に案内してもらい、東北などの日本酒をお燗でじっくり味わった

 ▼下田の地酒「黎明[れいめい]」を土産に渡すと喜んでくれた。伊豆の人、風土が生み出した味わいを楽しんでもらえたようだ。いつか下田で土地のさかなと味わってほしい。