「政治家」を和英辞典で引くと「statesman(ステーツマン)」と「politician(ポリティシャン)」の二つの単語が出てくる。ほぼ同じような意味だが、使われ方は異なる

 ▼ランダムハウス英和大辞典によると、前者「ステーツマン」は「先見の明があり、無私の心で国政に当たる人」という含みがある。われわれ国民が政治家に求める人物像は、まさにこれだろう。国家や国民のことだけを考えて行動する人で、偉人として語り継がれる人物のイメージである

 ▼これに対し後者「ポリティシャン」は、しばしば「私利や党利を追求する人」という否定的な含みを持って使われる(同辞典)。政治家ではなく、いわゆる「政治屋」だ

 ▼第48回衆院選がきのう行われた。台風の影響はあっても、新聞が配達されるころには、大勢が判明しているだろう。“奇襲”的な解散、希望の党の誕生、民進党の解党的合流、立憲民主党の結成など話題に事欠かなかったが、劇場型のムード選挙に終始したように思えた

 ▼英国の作家サミュエル・スマイルズ(1812~1904年)は著書「自助論」の中で「政治は国民を映し出す鏡」という名言を残した。われわれは「ステーツマン」を選んだだろうか。