小学生のころ「将来何になりたいか」と問われ「パイロット」と答えた記憶がある。「どうすればなれるか」など全く知らず、漠然と「カッコイイ」からにすぎなかった。級友の中には「大工」や「板前」などと具体的職業を答え、実現させた者もいるが、多くは単なる夢だった

 ▼インターネットなどなく、キャリア教育もほとんどなかった時代、職業観は親や親戚など身近なところで醸成するしかなかった。自ずと家業など現実的なイメージに縛られがちだった

 ▼伊東商工会議所青年部「気鋭の会」は本年度「伊東こどもビジネス体験塾『BIP』」を行っている。小学生に模擬株式会社の設立から、事業計画作成、事業資金借り入れ、商品企画などを体験してもらう。2校15人が3社に分かれて進め、12日に商店街イベントで実際に販売するという

 ▼学校でのキャリア教育というと、職場見学・体験や職業講演などが柱になっている。会社を興すところから始め、お金の工面、商品の販売まで行うのは珍しい。起業が身近なものになるだろう

 ▼日本は人口減少という局面に向かっている。子どもたちの将来の職業観に起業が加わることで、「就職」にとらわれない柔軟な発想が生まれることを期待したい。