肺がん20・8%、大腸がん14・5%、前立腺がん17・9%、乳がん11・7%、子宮頸がん7・2%。熱海市が昨年度行ったがん検診の受診率である。就業者を含む全対象者に占める割合であるため実際の受診率はもっと高くなるが、「多くの項目で全国、県の数値を下回っている」と市の担当者は嘆く

 ▼国際医療福祉大熱海病院で先日開かれた医学講座で「最新の胃がん治療」をテーマに講演した外科医の瀬上顕貴さんも、同市の受診率の低さを指摘。検診の有効性を示し「早期発見、早期治療を」と訴えた

 ▼瀬上さんによれば、胃がんでは開腹しない腹腔[ふくこう]鏡手術が普及し、患者負担は少なく早期の退院、社会復帰も可能に。鍵を握るのは早期発見だという

 ▼膨らむ医療費抑制の狙いもあって国は病気予防を推進。財政が厳しさを増す地方自治体は市民の健康増進、検診の充実に力を入れている。熱海市も例外でなく、他市町と遜色ない検診メニューを用意し受診率アップに努めているが、成果は十分と言い切れないものがある

 ▼14年度調査で同市の人口千人当たりの死亡率は本県の10・5、全国の10・1を大きく上回る18・1というショッキングなデータもある。市民の意識啓発が求められている。