熱海城の上空に浮かぶ月、熱海梅園の散策路を彩る紅葉、朝焼けに染まる熱海湾…。熱海市が市制80周年記念事業で実施したインスタグラム・フォトコンテスト「#わたしの熱海」の2次審査に進んだ33点は、熱海の風物を魅力的に捉えた作品が多く目を見張った

 ▼文化イベントに合わせて催した市民審査会で、住民から「これって熱海なの?」という声が上がったと聞き、うなずけた。数日後、都内と市内に拠点を持つ写真家がJR熱海駅近くのカフェで開催する作品展を取材し、未出展の写真を収めた“熱海本”を手にした

 ▼写真家がカメラを向ける熱海の風物には建物が含まれる。道路のカーブに沿って曲線を描くビルの面白さを語るのを聞き、当たり前に見ていた景色が熱海ならではの光景だと気付かされた

 ▼来店者からは色がきれい、鮮やかだといった感想が寄せられているという。写真家は「鮮やかだとすればそれは写真ではなく、熱海が鮮やかだということ。町のパワーだと思う」

 ▼熱海は絵になる風物、今風に言えばインスタ映えする素材が多く、日常風景も“見方”が変わると印象が変わる。当たり前の景色の中に、町の魅力を再発見する感性を養う必要があることを実感した。