下田市新庁舎の建設地が7日の市議会で決まった。2009年の検討開始から9年。この間、候補地が2度変わり、今回の市役所位置条例案も9月定例会で否決され、再提案の末ようやく決まった

 ▼建設地は、現庁舎から2キロほど北側の津波浸水区域外。伊豆急蓮台寺駅の目の前で、国道414号に接する。近くに伊豆縦貫自動車道のインターチェンジが開設される。他に適地は見当たらず、市民の多くは9月定例会で決まると信じていた

 ▼議会内でも場所に対する異論は少なかった。市は指摘された説明不足や関係機関との調整不足を補い、候補地を変えず再提案した。確かに説明責任は大切だし、時には石橋をたたいて渡ることも必要だが、反対議員の主張は「百点満点でなければ賛成しない」と言っているように聞こえた

 ▼現庁舎は海抜2・5メートルの低地に建ち、本館が築60年、別館が築50年で耐震性はいずれも最低ランク。南海トラフ地震では、倒壊する可能性が高く津波のリスクも大きい。職員の命ばかりか、復旧の先頭に立つべき市の使命もおぼつかない

 ▼職員は声にこそ出さないが、日々不安の中で勤務している。新庁舎の完成まで3年余。それまで大地震が起きないことを祈る。