頭の中に姿形が浮かんではいるものの、名前が出てこない。すぐに思い出すこともあれば、3、4日たち、ちょっとしたきっかけで分かる時もある。最近、そんな“あるある話”を同僚とよくする

 ▼齢[よわい]を重ねるにつれ、記憶力が衰えたり、記憶が曖昧[あいまい]になったりしていくことは必然なのか。「そんなことはない」と声高に叫びたいが、実際は前述の通りで何とも歯がゆい限りだ

 ▼とはいえ、決して忘れてはならないこともある。23年前のきょう1月17日に起きた「阪神・淡路大震災」である。兵庫県の淡路島北部を震源とするマグニチュード7・3の地震は、死者6千人超、負傷者4万人超を数え、全半壊した住宅は約25万棟に及んだ

 ▼犠牲者の8割は建物倒壊などによる圧死で、建築物の倒壊から生命、財産を守るための「耐震改修促進法」成立の契機になった。互いに助け合う「共助」の必要性も叫ばれ、1995年は“ボランティア元年”とされる

 ▼伊豆半島は地震だけでなく、土砂崩れや土石流、河川の氾濫などによる被害を被ってきた。過去の災いを忘れないことこそ、新たな惨事を防ぐ大きな力となる。伊豆が「災害多発地域」という現実を忘れず、教訓を生かした防災対策を進めたい。