春先の天気を「三寒四温」とはよく言ったもので、日ごとに過ごしやすくなってきた。暑くも寒くもなく、ウオーキングには良い季節だ。先日、犬を連れ、江戸時代の古道を下田から稲取まで歩いた

 ▼現在の街道・国道135号は海岸線を走るが、古道の大部分は集落周辺を除き、内陸部を走る峠越えのルートだ。ところどころに古[いにしえ]の道が残っている。下田から稲取まで四つの峠を越えた

 ▼伊豆東海岸の古道は、伊東市の郷土史家・加藤清志さんが平成に入り本紙に連載した「街道ロマン、伊豆東浦路の旅と旅人」と「『東浦路の今』を訪ねて」で脚光を浴びた。それまで東海岸の古道は広く知られておらず、黒船密航を企てた吉田松陰も天城を越えて来たと思い込んでいる人も少なくなかった

 ▼今回の東浦路ウオーキングは14年ぶりだった。一度歩いているのにもかかわらず何度か迷い、「こんな道だったか」と記憶に遠い部分も少なくなかった。道は歩かないと忘れ、歩かれなくなると荒れ果て、やがて消えていく

 ▼古道は貴重な文化遺産であり、開発を逃れて現在残る古道は私有地も含め、できる限り未来へ残したい。必要な部分は整備し、ウオーキングイベントなどで積極的に利用していきたい。