俗に「箱物行政」という。庁舎や学校、体育館、文化ホール、図書館など公共施設の建設に重点を置く国や地方自治体の政策のことを、批判的に捉えた言葉だ

 ▼バブル期までは「善」だったが、近年は必要性や費用対効果などについて有権者の目は厳しい。しばしば選挙の争点になり、文化と子育て支援の複合施設建設計画が町長のリコール、出直し選挙、新町長誕生となった河津町の例は記憶に新しい。他の賀茂4市町の首長交代にも少なからず同様の住民意識が働いたものと推測できる

 ▼こうした流れの中で行われた東伊豆町長選は、農林水産物直売所の建設を掲げた現職太田長八氏(67)が、直売所に反対し3期連続無投票阻止を掲げた前町議村木脩氏(71)を破り4選を果たした。小差とはいえ町民は「箱物」にゴーサインを出したことになる

 ▼「箱物」ただちに「悪」とは思わない。多数の住民が町にとって必要だと感じるかどうかだ。具体的なビジョンとそれを伝えるプレゼンテーション力が重要なのだろう

 ▼函南町で町長選が展開されている。3選を目指す現職に前県議ら新人2人が挑む構図だが、道の駅の運営ぐらいで「箱物」は主な争点になっていない。町民の審判はいかに。投開票は25日。