国会の「伝家の宝刀」といわれる証人喚問の生中継をテレビで初めて見たのは、1976(昭和51)年2月だった。民間航空機導入をめぐる戦後最大の汚職で、後に元首相らが逮捕された「ロッキード事件」。そのやり取りは、断片的だが今も目に浮かぶ

 ▼証人は航空会社や一流商社の最高幹部ら。国民は真相が語られると期待し、中継に見入った。しかし追及に対する証人の答えは「記憶にございません」の繰り返し。真相解明にはほど遠かった

 ▼財務省の決裁文書が改ざんされた問題で、当時の理財局長に対する証人喚問があす27日、行われる。なぜ改ざんしたのか、誰かの指示があったのか−など、興味は尽きないが、報道によると元局長は「検察の捜査を受けている」として証言を拒否する可能性もあるという

 ▼決裁文書が「公文書」に当たるかは法的に微妙らしいが、交渉などの経過を記した重要文書だ。改ざんは、行政機関として絶対にしてはならない行為だろう

 ▼情報公開で開示された文書が黒塗りだらけ−という話はよく聞くが、それは文書に「真実」が記載されている証しとも取れる。改ざんがまかり通れば情報公開の意味がなくなってしまう。国民の一人として喚問を注視したい。