都内に住む知人女性が会員制交流サイト(SNS)に小田原の曽我梅林や清閑亭の写真を添え「移り住みたい」と投稿していたのを見て、久しぶりに小田原へ出掛けた

 ▼小田原城の桜は見頃前だったが、家族連れらでにぎわっていた。しばらくして門の写真を撮っていると、ボランティアガイドが「ここからがいいよ」と教えてくれた。門の向こう側に城が収まる構図位置だった

 ▼城を後にし登録有形文化財の小田原文学館へ。当地に移り住んだ北原白秋の特集をはじめ小田原ゆかりの作家らの草稿などに見入った。3階ベランダに出ると海を少しだけ望めた

 ▼翌週、道の駅・天城越えに行き、伊豆近代文学博物館に入った。小田原と同様、温暖な気候や自然環境に恵まれた伊豆も多くの文学者を魅了した。映画「伊豆の踊子」に主演した女優のパネル写真なども並ぶ。川端康成は映画化推薦文(肉筆原稿)で、吉永小百合さんの踊り子姿に親しみを覚え「好ましい人柄」とつづる

 ▼川端や井上靖らの原稿を見詰めていると、文字が人柄や作品に通じるように感じられた。同博物館は伊豆ゆかりの文学者120人の資料を展示する。パンフレットにある通り伊豆は「まさに文学のふるさと」だろう。