熱海市内の大手コンビニのチェーン店が同市内で行う移動販売に2日間にわたって同行した。車両費、燃料費、人件費などコストに見合う需要があるのか、当初は半信半疑の取材だったが、行く先々での歓迎と繁盛ぶりに驚くほかなかった

 ▼移動販売車が週1、2回ずつ巡回するのは山間地域に点在する団地や住宅・別荘地、福祉施設。利用者の多くは車の免許を持たない高齢者だ。軽快な音楽とアナウンスを聞いて集まり、弁当やパン、取り扱いは少ないが一部の生鮮食品、菓子、生活雑貨を籠いっぱいに買い求める。3千円、5千円とまとめ買いする人も少なくない

 ▼聞けば、ほかにも別の大手コンビニ、乳製品の会社の移動販売車が定期的に来るとのことで、利用者は「移動販売車に食生活を助けてもらっている」と口をそろえた

 ▼移動販売車が支持される背景には46%超の高い高齢化率、山間地の多い地形的環境、手薄な公共交通など同市が抱える課題がある。それは伊豆地区の多くの市町に共通した問題でもある

 ▼買い物、通院、趣味など外出を含めて高齢者の生活をどう守り、支援していくのか。高齢者が住み慣れた地域で暮らしていくための対策が今、行政や地域、家族に求められている。