ハワイのキラウエア火山が活動を活発化している。山頂で爆発的噴火を起こし、地面の亀裂からも溶岩が吹き上げている。噴火の映像を見て、全島民が避難する事態になった1986年の伊豆大島噴火のことを思い出した

 ▼当時噴火の様子はテレビで生中継された。カーテンのように地表から溶岩を吹き出す割れ目噴火の映像は、すさまじく、肉眼で見える場所で起きているとは信じたくなかった

 ▼住民1万1千人と観光客2千人は、島を脱出し下田、伊東、稲取、熱海、東京に避難した。下田にいた筆者は、深夜に到着し避難所に向かう住民を取材した。溶岩流が元町に近づいているという情報が伝えられていただけに、疲れた表情ながら無事に避難できた住民たちを見てほっとした

 ▼噴火で怖いのは溶岩流だけではない。噴石、火砕流、火山灰などは逃げる時間も与えてくれない。被害を防ぐには、警戒情報などに注意して、事前に避難するしかない

 ▼火山は恐ろしいばかりではない。湖や滝などの見事な景観、温泉など大きな恵みももたらす。火山だけでなく、地域の成り立ちを理解するため、滝がどうしてできたか、溶岩がどのような地形を流れたのか、もっと知る機会があればと思う。