国立社会保障・人口問題研究所(社人研)が3月に発表した将来推計人口によると、賀茂地域の人口は27年後の2045年には、現在のおよそ半分の3万1500人になる。さらに賀茂地域は5年前の推計以上に人口減が進んでいる

 ▼賀茂の人口減は、さまざまな要因がある。例えば雇用環境。地域の有効求人倍率は2倍を超え、仕事はたくさんあるが、その多くは観光・福祉関係のサービス業。賃金が低く、不安定なため地域外に人口が流出する

 ▼医療も心もとない。救急患者の管外搬送が多く、産科や小児科医など専門医も不足している。救急搬送にも関わる道路は脆弱[ぜいじゃく]な上、アクセスが不便。鉄道は料金が高く、通勤・通学など住民の負担は大きい

 ▼教育も無関係ではない。学校の統廃合が進み、通学の経済・身体的な負担が増大。地域内の学校では学科や部活動の選択肢が限られ、よりよい環境を求め、家族ごと転出するケースも珍しくない

 ▼こうしたさまざまな要因が複雑に絡み合っているため、人口問題は総合的な政策が求められる。もちろん、行政だけに頼るのではなく、地域が一丸となり、長期的な視野に立った地道な取り組みが必要。社人研の推計を覆す挑戦は、待ったなしだ。