国際医療福祉大熱海病院で先日開かれた医療・福祉関係者向けセミナー「要介護者の緊急対応」を聴講した。要介護者の在宅医療に取り組む東京医科大の太田祥一教授ら講師は、高齢者が住み慣れた生活の場で自分らしい生活を最期まで続ける地域包括ケアシステムの意義を強調した

 ▼同システムは約800万人いる団塊の世代が後期高齢者となる2025年をめどに、厚生労働省が整備を目指す高齢者支援体制。関係機関が連携して住まい、医療、介護、予防、生活支援といったサービスを一体で提供する。行政関係者も「高齢者福祉が行き着く先がこれだろう」と語る期待の施策だ

 ▼知人の父親が最近、誤嚥性[ごえんせい]肺炎で緊急入院した。危機を脱して回復に向かっているが、食べ物をのみ込む嚥下[えんげ]機能が低下し、過去の脳梗塞の後遺症の影響もあって、ペースト状の食事と食事介助が欠かせない―との見通しを病院に示されたという

 ▼知人夫婦はともにフルタイム労働者。「帰宅を希望する父の願いはかなえてあげたいが、再発リスクが高く、現実問題はかなり難しいようだ」と嘆く

 ▼共働きなど家庭の事情や家計、病状、そうした問題もクリアして高齢者と家族を支えるシステム構築を強く願う。