新潟女児殺害事件、日大アメフット問題、14年前の岡山女児殺害犯逮捕…。目まぐるしい直近1カ月の事件事故の中でも、新潟の親子山岳遭難が気になっている。なぜ、親子は死ななければならなかったのか

 ▼37歳の父と6歳の長男は大型連休中の5月5日、地元の五頭[ごず]連峰に出掛けた。同日夜「道に迷ったのでビバークする」と携帯電話で家族に連絡があった。翌朝「下山する」との連絡を最後に消息が途絶えた

 ▼警察と消防などは7日から大掛かりな捜索を繰り広げたが、手がかり一つ得られなかった。29日になって警察のヘリが2人の遺体を発見した。登山に向かったとみられる松平山(954メートル)の南西約1・7キロの斜面に寄り添うように倒れていたという。痛ましい限りだ

 ▼日帰りの予定だった2人は、軽装で食料も当日の弁当ぐらいしかなかったとみられる。携帯の電源が切れても、使い捨てライター一つでもあれば、狼煙[のろし]を上げて居所を知らせたり、暖を取ったりして、助かったかも知れない

 ▼こうした山を甘くみた遭難は、どこでも起こり得るし、恥ずかしながら筆者も体験している。自然の中で人間はひ弱な存在。山でも海でも、アウトドア活動には十分な準備と細心の注意が必要だ。