「ジオパークは地質学ではない。歴史や人々の生活、文化すべてがジオパーク」―。熱海市でこのほど開かれた伊豆半島ジオパークの世界認定記念講演会で、同パーク推進協議会専任研究員の朝日克彦さんら講師3人の話は伊豆の魅力を再認識する内容だった

 ▼前伊豆半島ジオガイド協会長の田畑朝恵さんは、下田市白浜海岸にある白浜神社の由来を解説した。同神社に祭られる伊古奈比〓命[いこなひめのみこと]は火山群である伊豆諸島開拓神の三嶋神。三宅島から白浜に渡り、その後三島に遷座して現在の三島大社が発展した

 ▼ATAMIジオネットワークの石川彰さんは、九州東部から関東にかけて日本列島を縦断する大断層「中央構造線」沿いに大きな神社が点在する事実を紹介した。熱海市の伊豆山神社はかつて多くの修験者が修行した場で、大地がもたらすエネルギーが無縁でないとの見解を示した

 ▼フィリピン海プレートのへりにある伊豆半島が本州に衝突して富士山が誕生し、現在の伊豆周辺地域が形成された自然科学はダイナミックでロマンにあふれるが、そこに息づく歴史、文化も貴重な伊豆半島ジオパークの財産だ

 ▼修験者が感じたであろう大地の鼓動に思いを巡らせる伊豆の旅を推奨したい。

 ※〓は口ヘンに羊