熱海市に住む高校3年生の沢田詩織さんは面白いことや楽しいことがあった時、メモを取るような感覚で歌を詠んでいるという。その作品が先日、同市で開かれた第44回佐佐木信綱祭短歌大会の一般の部で佳作となった。沢田さんは師事する歌人の勧めで、昨年に続いて一般の部に応募した

 ▼母校の第二小で行事の感想など、折りに触れて詠むことを勧められた。学校生活の中での短歌との出合いを「すごく良かった」と振り返り「詠むのは楽しい。いい表現を思いつくとうれしくなる」

 ▼熱海で晩年を過ごした歌人佐佐木信綱を偲[しの]ぶ同大会は、短歌人口の裾野を広げるべく十数年前から学生の部を設けている。今回はツイッターで募ったこともあり、同部の入選者には市内の中学・高校生に交じり、都内の高校生や仙台の中学生が名を連ねた

 ▼大会実行委員会の松井千也子さんは「皆さんに歌を詠んでいただくのが信綱先生の理想だった」と話すが、ゆかりの地の短歌大会で歌詠みの若い芽が育ちつつあることをうれしく思った

 ▼信綱の尽力で始まった「源実朝を偲ぶ中秋の名月伊豆山歌会」も今秋の第67回に向け、募集が始まった。作品を通して若者の豊かな感性に出合えることを期待したい。