下田市の南端に位置する田牛[とうじ]は、漁港と海水浴場があるだけの小さな漁村。海岸線の一本道の行き止まりで、交通アクセスも良くないが、今、観光客がひっきりなしに訪れている

 ▼観光客のお目当ては、集落入り口にあるジオサイト「龍宮窟[りゅうぐうくつ]」だ。メディアへの露出増やネットによる拡散効果で近年、観光客が急増している。約20台分の専用駐車場は、平日でも車両が絶え間なく止まっている

 ▼管理する市が今年の大型連休に、少し離れた青少年海の家の駐車場を開放し、係員を配置して調査した結果、9日間で3139台の駐車車両があった。一日平均349台、最多の5月4日は612台に上った

 ▼龍宮窟は、波に削られた海食洞窟で、天井の一部が崩れ、直径50メートルほどの天窓が開く。龍宮窟を見下ろす遊歩道からはハート形の海食洞を見ることができ、愛のパワースポットとしてカップルに人気がある

 ▼「インスタ映え」し、都会では絶対に目にすることができない神秘性が人気の秘密とみられるが、こうした自然の名所は伊豆半島にたくさんある。最近、本紙で取り上げた南伊豆町手石の海食洞窟「鳩穴[はとあな]」もその一つ。世界ジオパーク認定を機に、埋もれたジオ資源を掘り起こし、観光に生かしたい。