昭和の終わりごろ、亀石峠付近で見掛けるサイクリストは、ほぼ間違いなく日本競輪学校(現伊豆市大野)の生徒だった。プロを目指すだけあって、きつい坂をぐんぐん上っていく鍛えられた脚力に感心した

 ▼30年を経た平成の終わりも、同峠をはじめ伊豆半島のあちらこちらでサイクリストが見られる。以前と同様、競輪選手の卵もいるが、今は多くが自転車愛好者だ。大学のサークルなど若者の団体もあれば、中高年のグループも。風光明媚で起伏に富んだ伊豆で自転車の旅を楽しんでいる

 ▼伊豆市大野の伊豆ベロドロームが2020年東京五輪・パラリンピックの自転車競技会場となることから、開催機運を盛り上げるイベントが展開されている。同時に伊豆各地で、自転車で楽しめる観光地づくりも進んでいる

 ▼美しい景色を楽しめるサイクリングコースの紹介はもちろん、自転車と共に乗れる電車、バスもある。レンタルステーション、専用駐輪施設がある店舗も増えている。日本遺産「箱根八里」では、利用環境創出へ向け秋から社会実験が行われる

 ▼愛好者の自転車は概して高価なため、宿泊する場合は部屋に持ち込みたいという。対応できる宿泊施設はまだ少ないなど、課題は多い。