元塗装職人の佐藤憲三さんの絵画展が松崎町大沢の旧依田邸で開かれている。ペンキを使った作品は色鮮やかで、厚みもあり立体感を感じさせる。

 中学卒業後、60年近く塗装に携わってきた佐藤さんは、「筆と腕だけでここまでやってきた自分が、どんな作品を作れるのか試したい」と72歳から趣味で絵を描いているという。作品を「早く」「きれいに仕上げる」ことにもこだわっている。趣味であっても職人としての意地が妥協を許さないのだろう。

 絵について指導を受けたことはなく、全て独学だという。「着物のグラデーションに苦労したよ」と笑いながら話す裏でどれだけの苦労があったのだろうか。頭が下がる思いだった。(北)