台風一過の熱海港。重さ約16トン、一片の長さ3メートルの巨大なコンクリート片がすぐに目に入った。もともとどこにあったのか。周囲を見渡し、約20メートル先で同じような形で一部が欠落したコンクリート護岸を見て合点がいった。7月28日の台風12号の高波で破損した護岸だ

 ▼隣接する熱海市の下水処理場では海側に面した建物の窓ガラスがことごとく割れ、外壁の一部が波で破られて浸水し、芝生広場はがれきで埋め尽くされていた。高さ8メートルの護岸を越えた高波の爪痕である

 ▼東日本大震災以降、津波の脅威ばかりがクローズアップされてきた。今回の台風被害は夏季を中心に日常的に起こり得る高波、高潮の恐怖、破壊力を再認識させられる出来事となった

 ▼8日には台風13号が伊豆半島に接近した。幸い被害はなかったが、沿岸のインフラなどに大きな被害をもたらした12号の後だけに緊張を強いられた。フィリピン付近にはさらに台風14号が発生した

 ▼地震・津波とは異なり、台風は事前にある程度備えができる。台風シーズンを迎え、高波ばかりでなく雨や風にも十分警戒したい。一方、伊豆半島は書き入れ時であるお盆ウイークを迎える。猛暑はほどほどに好天が続くことを願う。