初島行きの定期船が熱海港を離れ、沖へと進む。デッキに立ち、遠ざかる街並みを眺めていると、日常からも離れていくような感覚を覚える

 ▼普段、取材で走り回っている町を海上から“広角”で見渡すのは楽しい。地形や建物の位置をあらためて確認し、マンションの増加など街並みが変化しつつあることを実感する。進行方向に目を向けると、大海原が広がる。開放的な光景に、仕事で島に向かっていることをつい忘れそうになる

 ▼家族連れやカップル、若者グループが入れ替わり立ち替わり、デッキで記念撮影を楽しむ。約30分の短い時間ながらも、船旅の非日常感を満喫している様子がうかがえる

 ▼定期船を運航する富士急マリンリゾートは「首都圏から一番近い離島、初島」をキャッチフレーズに掲げて誘客を図る。熱海―初島の最終便を使ってサンセットクルーズも実施中で「熱海温泉の宿泊客だけでなく、地域住民にも楽しんでもらえる」とアピールする

 ▼普段目にする身近な場所でも違う角度や時間、立場から見たときに、再発見や新たな感動を味わえることがある。盆休みに入り、夏の行楽シーズン真っただ中。たまには行楽客に交じり、旅人気分でふるさと伊豆を見詰めたい。