議会議員としては国内最高齢とされる熱海市議の山田治雄さん(91)らを語り部に迎えた憲法と平和を考えるイベントが同市内で開かれた。太平洋戦争末期の1944年、飛行予科練習生として海軍に入隊し、終戦間際に特攻訓練を受けた山田さんの話は体験者でしか語ることができない内実を明かすものだった

 ▼「出撃を控えた家族との最後の面会は特攻の事実を明かすこともできない悲しいものだった」「本土に迫った米軍を想定し、竹やりで人を刺す訓練もあった。人間の魂を捨てて相手を殺すだけ。それが戦争」―。言葉一つ一つ胸が締め付けられた

 ▼戦後73年。終戦の日に合わせてマスコミ各社も特集記事、ニュースで被爆者や特攻隊員、戦地に人や兵器を送り出した人たちの証言を紹介した。多くは80代、90代の高齢者だった

 ▼手記や文献、映像の記録はあっても、体験者の生の言葉に勝る歴史の証言はない。そうした生き証人が減り続ける中で、戦争の悲惨さをどう後世に伝えていくか―。大きな課題だ

 ▼国会では戦後世代の政治家主導で憲法改正論議が進む。是非はともかく、多くの犠牲者を出した戦争体験を踏まえて成り立った平和憲法をいま一度読み返し、その意義を考えたい。