未曽有の被害をもたらした狩野川台風発生から、もうすぐ60年になる。風化させずに後世に伝えようと、伊豆市の修善寺総合会館で22、23の両日、劇団DANや公募小中学生による演劇「狩野川台風」が上演される

 ▼修善寺図書館は一足早く、「親子で学ぶ『子どもたちの狩野川台風』」を開いた。台風を体験した元教諭の鈴木暹さん(伊豆の国市三福)杉山晴美さん(伊豆市冷川)が体験談などを語り、小学生らによる作文朗読もあった

 ▼杉山さんは台風後、新任教師として大東小(当時)に赴任した。雨が降ると思い出して泣きだす児童がいたことに触れ「今は災害後に心のケアが入るが、60年前はなかった。教員も指導を受けていなかった。それが心残り」と語った

 ▼鈴木さんは中学生の時に被災した。近所に住む親戚は自宅に避難させたが、声を掛けなかった近所の一家が流されたつらい体験を振り返り、情報収集や早めの避難の大切さを強調した

 ▼杉山さんは「被害を防ぐには山を守る」との思いから、森林ボランティアに協力している。鈴木さんも「狩野川放水路や護岸施設はできたが、上にある山を大切にしないといけない」と同調した。全国で自然災害が続発しているだけに、心に響いた。