秋本番が近づき、伊豆各地から秋祭りの話題が聞こえてくるようになった。伊東市内では先日、先頭を切って八幡野地区で八幡宮来宮神社の祭りが盛大に開かれた

 ▼今年初めて、祭りのため各町内に張るしめ縄に垂らす「紙垂[しで]」を県立東部特別支援学校伊豆高原分校の生徒が制作した。地元に住む分校の教諭が「生徒も何か手伝えないか」と区の役員に相談したことがきっかけだった

 ▼生徒たちは700軒分を用意したという。役員は「伝統的な行事に子どもたちが協力してくれて本当にうれしかった」と大喜びだった

 ▼各地の祭りでは、人手不足が深刻だ。みこしの担ぎ手がいない、山車を引くのは年寄りばかり、などの声を毎年のように耳にする。ユネスコの無形文化遺産に登録された富山県魚津市の「たてもん祭り」が山車の引き手の半数をボランティアに頼った―という記事が先月の日本経済新聞夕刊に載っていた

 ▼ユネスコに登録された祭りでさえ、ボランティアの力を借りて存続している。地域の祭りを地域だけで守っていくのは、そろそろ限界かもしれない。今回の紙垂作りをきっかけに、八幡野で地元の学校に通う子どもたちが積極的に祭典に参加してくれるようになればいいと思う。