秋の運動会シーズン真っ盛り。台風で何度も延期になった学校もあったが、伊東市の市立幼稚園の運動会はまずまずの好天の下、七つの園で一斉に開催された

 ▼取材で二つの園を訪れ、子どもたちの勢いに圧倒された。かわいい衣装を着て遊戯で跳びはね、玉入れの玉を思いっきり投げ、競走では必死に駆ける

 ▼ただただ楽しそうで、見守る家族も皆笑顔。その場にいる全員が笑っていられる場所なんてそうはないと思った

 ▼宇佐美幼稚園の3歳児による「お祭りでお買い物」が面白かった。並んだおもちゃから好きな物を取ってゴールするのだが、一人の子がたくさん抱えてゴールしたら次の組から子どもたちが持てるだけ持っていくようになったのだ。タイムを競うはずの競技がタイムと数を競う競技にレベルアップしていた

 ▼米国の哲学者ロバート・フルガムは著書「人生に必要な知恵はすべて幼稚園の砂場で学んだ」(河出書房新社刊、池央耿訳)で、〈人間、どう生きるか…本当に知っていなくてはいけないことを、わたしは全部残らず幼稚園で教わった〉と書いている。筆者を含め、幼稚園で教わったことを忘れてしまった人がたくさんいるのではないかと、運動会を見ていて思った。