江戸時代、明治維新で活躍した高杉晋作や伊藤博文らを松下村塾で教えた幕末の志士・吉田松陰も通ったとされる、伊東市宇佐美の「東浦路」(朝善寺線道標−網代峠区間、約1・9キロ)が市文化財に指定された

 ▼時とともに交通形態が変化する中、道路拡張などの影響を受けずに旧街道の面影を残し、歴史的にも非常に価値が高いことが評価された。同時に、末永く後世に伝え残す必要性も求めている

 ▼文化財の指定は、「市の宝物」のお墨付きを得たと言ってもいいだろう。存在を知らしめ、素晴らしいと思ってもらうことに加え、管理・保存にも力を注ぎ、次世代へと引き継いでいかなければならない

 ▼今年の秋祭り前、神輿[みこし]の担ぎ手が足りないという話が耳に入った。例大祭までには確保できたものの、地域を代表する伝統行事でさえ“担い手不足”に陥っているのが現状だ

 ▼東浦路の美化活動を行う江戸城石丁場遺跡・伊豆古道保存協議会は、会員の年齢が60、70歳代と高い。長期間の活動継続は難しいとみられ、後継者の育成が急務だ。少子高齢化、人口減少の進展、さらには働く場所を求めて市外へ出る若者たち。さまざまな要因が重なり、伝えるべきものの継承が難しくなりつつある。