戌[いぬ]年の2018年も残り1カ月余り。19年は十二支の最後に当たる亥[い]年。干支[えと]の交代を控えて、本紙を含め各マスコミはイノシシにまつわる話題探しを進めている時期だ。だがイノシシは、食害など山や畑の厄介者で、プラスイメージの話題は少ないかもしれない

 ▼そのイノシシを主役にしたテーマパークが、かつて伊豆市湯ケ島にあった。1971(昭和46)年にオープンした「天城いのしし村」。イノシシの飼育・展示に加え、当時としては画期的なショーやレースで、近隣にない施設として人気を博した。訪れたことのある読者は多いのではないか

 ▼旧天城湯ケ島町の旅館経営者らが開設した。80年代には年間35万人を超える入園客があり、田方地区や周辺の観光発展に大きな役割を果たした

 ▼しかしバブル崩壊後、入園客が減少し、2度にわたり運営母体を変え改善を図ったが、2008年11月30日、惜しまれつつ閉園した。それから明日で10年、跡地は特別養護老人ホームになっている。これも時代の流れか

 ▼閉園の少し前、北海道・旭山動物園をきっかけに動物園ブームが起き、今も各施設は大人気だ。亥年目前の今、いのしし村が“健在”なら、取材殺到で注目されたに違いない。残念だ。