年末になると「忠臣蔵」を思い出す。片岡千恵蔵、長谷川一夫、三船敏郎、高倉健らを主役に、幾度となく作られた映画やテレビドラマが、この時期放送されていた。今は見ることもなく寂しい

 ▼勅使供応馳走役だった播州赤穂(現兵庫県赤穂市)藩主・浅野内匠頭[たくみのかみ]が、指南役の吉良上野介[きらこうずけのすけ]にいじめられ、耐えかねた内匠頭が江戸城松の廊下で上野介に刃傷[にんじょう]におよび、内匠頭は即日切腹、領地は没収となった。浪人となった大石内蔵助[くらのすけ]ら旧家臣47人が江戸の吉良邸に討ち入り、主君の無念を晴らす物語

 ▼忠臣蔵は創作だが、1702(元禄15)年に起きた「赤穂事件」を基にしており、刃傷や討ち入りなどは実際にあった。“師走の風物詩”といわれたのは、クライマックスの討ち入りが「12月14日」だったから

 ▼同日に決行された理由は、忠臣蔵では「吉良邸で茶会があり上野介が在宅」「内匠頭の月命日」とあるが、こんな説もある。旧暦では14、15日は「満月」で、街灯もない時代、夜間に移動するには月明かりが必要だったから。説得力がある

 ▼そういえば、全国的に祭りの日程に14、15日が多いのも同じ理由か。太陽や月は神格化されていたので、その意味では「神様が決めた」日程なのかも。