熱海市東海岸町の高層ホテル計画の中身に驚いた。地上18階建て・客室数327、うち66室は従業員寮という。熱海の一等地、従業員寮までセットで造る計画は注目に値する

 ▼宿泊客数がV字回復を果たし、観光が活気づく同市だが、旅館・ホテルの多くは深刻な人手不足に悲鳴を上げる。中には必要な人員を確保できず、稼働客室を抑制する「売り止め」を余儀なくされている施設もある。原因は労働条件、待遇などさまざまだが、観光関係者が口をそろえて指摘するのは住宅事情だ

 ▼従業員寮を自前で備える施設もあるが、老朽化し、現在のニーズからかけ離れた寮は少なくない。新規に設置するにしても用地を確保できず、投資する余裕まではないのが現状とされる

 ▼一方、同市も人口減少、少子高齢化、若年層の市外流出を含めての要因の一つといわれる、住宅問題が市政の大きな課題であるとの認識を示す。業界関係者の切実な訴えを理解はしても、効果的な対策を打ち出せないでいる

 ▼東海岸町の高層ホテル計画を巡っては、眺望が失われるなどとして周辺住民から市のまちづくり条例に基づく請求のあった公聴会が24日に市役所で開かれる。妥当性を含めて計画の今後に注目したい。