想像してみてほしい。縄文時代の伊豆を。山野を駆け巡って獣を狩り木の実を採り、魚や貝を食べた伊豆の住人の姿を。毛皮を着ていたのだろうか、洞穴に住んでいたのだろうか。当時の住人が歩いた道を今、自分は車で走っているのだろうか。想像はいくらでも膨らむ

 ▼本紙の伊豆地区と近隣の「古墳」を扱った特集を読んで思い浮かんだ。時代は違うが、3~4世紀というから1600年以上前だ。特集でも扱っていたが昨年、本紙で掲載された伊豆地区最大級といわれる函南町の前方後円墳「瓢箪山[ひょうたんやま]古墳」(4世紀前半~中頃)は記憶に新しい。当時、すでに古墳を作ることができるだけの社会が伊豆に築かれていた

 ▼もちろん頭では理解はしていた。でも実感が伴わなかった。歴史を学ぶというと、どうしても暗記物と考えがちだが、楽しさはストーリー性にあると思う。過去があってこそ今がある。当時に思いをはせ、今を知る。物語として捉えると楽しめるのかもしれない

 ▼高校生の頃、恩師に伴われて河津町で遺跡発掘の土運びを手伝った。小学生の頃は、東伊豆町の山中を掘って見つけた黒曜石の吸い込まれるような輝きを空にかざした。今、思うと、あの時に歴史を実感した。