ケーキが並ぶ大きなテーブルを囲み、赤ん坊をだっこした若いお母さんたちが楽しげに語らう。おもちゃを取りそろえた別室では、子どもたちが思い思いの遊びに興じる。熱海ガスがショールームを活用して始めた子育てサロン「キッズママの輪」である

 ▼担当者は「少子化で母親の多くが引きこもりがち。熱海は観光客に優しいが、子育て世代には暮らしにくい町」と背景を説明。「インフラを担う企業としてまちづくりに貢献し、お母さんを笑顔にしたい」とサロン開設の狙いを語った

 ▼記者が幼少だった昭和40年代、隣近所にはたくさんの子どもが暮らし、家々の居間や食堂、縁側などに母親らと集まり、おやつを食べたり、遊んだりして過ごした。隣近所が今でいう子育てサロンだった

 ▼時代は変わり、親子が集う場は行政やNPOが開設する子育てサロン、図書館、公民館施設など。近所にあれば良いが、多くは身支度をし、車で出掛けることになり、母親らがおっくうに感じるのも無理はない

 ▼熱海ガスのサロンに参加した母親は「近所には同じ年頃の子どもがいない。私自身引きこもりがちだった」と打ち明けた。子育て支援を含め抜本的な少子化対策の必要性を認識させられる一言だった。