採算を度外視した治療で名声を博し、患者が全国から訪れ「河津のシュバイツアー」「伊豆の聖医(せいい)」と呼ばれた眼科医がいた。石原忍。

 河津町教育員会の資料によると、東京出身の石原医師は1946(昭和21)年、谷津に住み始め「河津眼科医院」を開業した。「患者には親切にし、できるだけ都合の良いようにしてあげること」などを実行した。

 医院名に「河津」を入れたのは、村(旧下河津村)の名が少しでも世間に広がれば…との気持ちからだった。近所の人に協力を求め、遠くからの患者が安く泊まれるようにした、という。

 石原医師の取り組みは、現在のおもてなしの根底に通じないだろうか。目に見えない心遣いが人を引き付ける。(日)