間に立って紹介や世話をする「口利き」は政治家の重要な仕事の一つという指摘がある。市長の立場を利用して口を利き、賄賂を要求した前伊東市長の佃弘巳被告(72)に懲役2年(追徴金1300万円)の実刑判決が下った。口利きが贈収賄事件となった悲しい事例だ

 ▼佃被告は3期12年間、伊東市のかじ取り役を担い、特に行財政改革で成果を挙げた。市の貯金に当たる財政調整基金を4193万円から76倍の31億8016万円に積み上げ、赤字続きの競輪事業も黒字に転換させた。しかし、収賄はそうした功績をも台無しにした

 ▼佃被告はホテル跡地を伊東市に購入させるなど、便宜を図った見返りとして土地を所有していた建設・不動産業者から1300万円を受け取ったとされる

 ▼口利きには私利私欲が介在しやすいだけに、政治家は細心の注意を払いたい。清廉潔白は、信義を重んずる政治の世界では最優先されるべきだ

 ▼今回、事件の最大の被害者はある意味でいえば、伊東市の政治家ではないだろうか。政治家からすれば住民の声に耳を傾け、要望を行政に伝える口利きができなくなったら、議員としての仕事が大幅に制限される。危機感を持って今後の議員活動に取り組んでもらいたい。