四季は日本の生活や文化の源だと思う。季節ごとに花などの美しい景色が楽しめ、旬の味覚も堪能できる。ソメイヨシノが見頃を迎えるこれからは「春爛漫[はるらんまん]」という言葉がぴったりの光景が広がる

 ▼春の訪れを告げる魚もいる。ニシンとメバルだ。ニシンは産卵のため大挙して3~5月に北海道西岸に近づくことが由来。だが、漁獲量が減り、近年は春から初夏が旬のメバルが「春告魚」と呼ばれるようになった(語源由来辞典より)

 ▼伊豆にも東海岸の定置網に入る“春告魚”がいる。伊東市新井の伊東魚市場に、連日水揚げされているブリだ。22日は20トン、24日は40トン、25日も30トンと大漁が続いている。最近は3月に水揚げされることが多く、桜の季節と重なることから「桜ブリ」と呼ぶ人もいる

 ▼魚好きな筆者は今シーズン、3度刺し身で味わった。脂[あぶら]が乗り、何ともいえない甘さは天然物ならではの味わい。酒を飲むピッチも上がってしまった

 ▼伊豆が誇る今が旬の魚である。まずは地元の人が食し、うまさを共有してほしい。来遊客を狙った「ブリ祭り」構想なども浮かぶが、希望する時期に回遊してくれるかどうかが分からない。海は恵みを与えてはくれるが、思うようにはさせてくれない。