新1万円札肖像画に採用された渋沢栄一は1927(昭和2)年10月1日、下田市の玉泉寺でハリス記念碑の除幕式に参加した。前日に修善寺の新井旅館へ泊まった渋沢は午前10時に旅館を出発し、自動車で天城を越え正午に下田に着いた。2時間の天城越えだ。

 式の来賓招待状では沼津―下田間を3時間半と説明した。現在では渋滞さえなければ修善寺―下田間が1時間余、沼津―下田間は1時間半余でいずれも半分以下に短縮された。05(明治38)年の旧天城トンネル開通以来の交通網の進化を感じる。

 新紙幣が出るのは2024年。そのころには河津トンネルが開通し、さらに10分以上短縮される。良くなった道で次は紙の渋沢栄一を連れてきてほしいものだ。(航)