「ここに写っているのが私ですよ」。80歳の男性が指さした写真には、全身黒塗りで腰みのをはいたポリネシア風の仮装の若者が写っていた。1960年の南伊豆町南中地区運動会の一こまだ。

 運動会の余興にしては本格的な装いで、戦時中に南洋へ行った人に教わったという。写真は下賀茂公会堂に飾ってある。

 同町はかつて下賀茂熱帯植物園など、いくつかのポリネシアを意識した観光施設でにぎわった。写真は施設開業より古く熱帯のイメージを観光的に売る下地が元からあったことをうかがわせる。

 地域のイメージづくりは現代の観光でも重要で外部の専門家を呼ぶ自治体もある。ただ案外、運動会の若者の仮装のように答えは身近にあるかも知れない。(航)