「本県初の本格的国際映画祭」の触れ込みで熱海市で昨年スタートした「熱海国際映画祭」が揺らいでいる。昨年9月に公表された決算に誤りが生じ、当初61万円としていた赤字額が900万円超に達することが本紙の取材で分かったためだ

 ▼きっかけは昨年の祭典に関わった関係者からの電話やメールでの告発だった。「立て替えた経費を支払ってもらっていない人が多くいる。額は小さくても一市民には大きな負担」「掛け合っても取り合ってくれない」など、その内容は悲痛だった

 ▼実行委員会を構成する企業、市に取材を重ねると、赤字額拡大が事実と判明した。イベント運営費や映画関係者の出演料など大口が約750万円、その他細かな未払い金が計200万円あったとの説明だった

 ▼昨年のオープニングセレモニーでスポットライトを浴びてレッドカーペットを歩く映画関係者。華やかな舞台裏で会場の案内や整理業務に当たるボランティアや協力者のかいがいしい姿がよみがえる。手弁当で協力した有志が損害を被っていたならば、看過できる問題ではない

 ▼6月28日~7月1日に開かれる今年の映画祭は規模がやや縮小される見通しだ。身の丈にあった内容と、問題の徹底調査を強く求めたい。