道端や植え込みなどに、紙くずや空き缶、ペットボトルが捨てられている。世界ジオパークに認定され、地球の活動の痕跡が見られる伊豆半島の魅力を台無しにする“敵”だ。市民や奉仕団体が定期的に清掃活動をするものの、一向になくならない

 ▼米国の心理学者、ジョージ・ケリングが提唱した「割れ窓理論」は、小さな不正を正すことで大きな犯罪を防ぐことができる。環境犯罪学上の理論で割れた窓を放置せず、修理をしておけば次に窓が割られることはないとの考えだ

 ▼治安の悪かったニューヨーク市のジュリアーニ市長(当時)はこれを利用し、まずは地下鉄の落書きを消すことから始め、最終的に凶悪犯罪の発生件数を減らすことに成功した

 ▼あすは「ごみゼロの日」。愛知県豊橋市で1975年、観光客が帰った後に大量のごみが残されたという悲しい現実がきっかけで運動が始まった。その後、全国へと広まっていった

 ▼「割れ窓理論」に従えば、わずかなごみの放置が大量のごみへとつながっていく。伊豆半島の自然景観を守り、引き継いでいくためには、清掃活動を強化してごみを捨てにくい環境づくりに努めつつ、環境への意識の高い人づくりにも注力していく必要がある。