伊東駅の近くに住む人から近所の屋根にフクロウが留まっていると連絡をもらったので行ってみた。電話の主は品のよいおばあさんだった。教えられた屋根の上のアンテナを見ると、確かに黒い固まりがうずくまっている。逃げられないように慎重に近づいてデジタルカメラで写真を撮り、モニターを確認した

 ▼ん、あれ。フクロウだと思った固まりから、コードが伸びている。近くで見ると、アンテナの部品だった。おばあさんに説明すると「部屋から見ると本当にフクロウそっくりだったのよ。朝からずっと動かないので、病気になったのかしらと心配していたの」と小さく笑った

 ▼後日、伊豆野鳥愛好会の酒井洋平会長に尋ねたら、伊東にも神社の森などにフクロウが生息していると教えてくれた。夜に「ホーホー ゴロスケホホー」という鳴き声が聞こえるという

 ▼それからしばらくの間、鳥の鳴き声がやたらと気になった。耳を澄ますと、街中でもいろいろな鳥の声が聞こえてくる。世間は鳥の声に満ちているのに、全く気付かなかった。聞こうとしなければ聞こえないものは多い

 ▼ただし、フクロウの声はまだ確認できていない。残念ながら、聞こうとしても聞こえないものもあるようだ。