とりとめのない話をすると、2020年東京五輪の聖火リレー・ルートが公表され、本紙掲載の略図を見たとき、三島市の佐野美術館が頭に浮かんだ。昨秋あった、江戸時代の絵師葛飾北斎と歌川広重が東海道五十三次を描いた浮世絵の企画展を思い出した

 ▼ルートが一致しているわけではない。今回は伊豆の海岸線が加わる。ただ便りの代わりに聖火を届ける「現代の飛脚」が来年、東海道を「現代の江戸」へ向けて交代で駆け抜ける姿が浮世絵と重なった

 ▼もし北斎や広重が描いたならば、聖火を持ち急坂を登る「東京五輪・箱根の図」とか、富士山を背景にトンネルを抜けたランナーを描いた「富嶽・天城の図」にでもなるのだろうか。海岸線を走るランナーを前に高波の間から富士山がのぞく構図でもいい。想像すると楽しくなる

 ▼浮世絵が江戸町民の生活の一部であったように今回のリレーコースは伊豆地区住民にとって、五輪をより身近に感じられるように思える

 ▼東海道からはずれた伊豆の海岸線に住んでいる一住民としては、自転車競技会場の伊豆市という天城を越えた“隣人”を眺める立場から当事者として関わる「おらがところに…」といった感覚か。あくまでも個人的だが…。