2003(平成15)年、まだ「子育て支援」という言葉が耳慣れない頃、私たちの一日移動児童館活動は始まりました。子ども連れでいつでも遊びに行ける屋根のある安全な居場所、いわゆる児童館的な施設が下田には無かったからです。

 「児童館がほしいね」と共感し合った仲間で手探りしている時、当時の教育長から県の「子どもをはぐくむ地域教育推進事業」に推薦されました。そこで企画したのが「一日児童館体験イベント」。小学校を会場にさまざな遊びや体験などの部屋を設け、一日児童館をつくってみたのです。児童館を知らない下田の人に体験してもらって共鳴の輪を広げたい、そして行政の方々にこんな場所が下田には必要と理解してもらうためでした。当日は予想を上回る入場者で大盛況。私たちもびっくりでした。

 それから15年、いろいろな遊具を各々の車に積んで各地域を巡る一日移動児童館「遊・VIVA!(あそびば)」は通算105回を数え、来場者数は延べ1万3千人を超えています。友達と遊べなかった子が遊べるようになったり、ボランティア参加がきっかけで保育士を目指すようになったり、年数回の開催でもここが一つの居場所となっていたのは確かでしょう。

 そんな移動児童館活動ですが、来年度で締めくくると決めました。私たち本来の目的は市に児童館的な施設を「常設」してもらうこと。自分たちが動けるうちに、これは行政の仕事だと改めて市に訴え、バトンタッチしたいのです。協力はします。できない理由はもう聞き飽きました。「お金をかけないでもできるんですね」と視察時に聞いた行政関係者の言葉が忘れられません。「あったらいいな」をどうしたら実現にこぎつけられるか、「遊・VIVA!」ネットワークの奮闘は続きます。