「梅まつり」開催中の梅園内に並ぶ飲食の出店=熱海市梅園町

 ■客のニーズと兼ね合い課題 “観光の流れ”崩さぬ計画を

 熱海梅園(熱海市)の「梅まつり」は終盤に入っても、にぎわいが続いている。花だけでなく“団子”も楽しみたい―という客のニーズに応え、飲食店などが並ぶ。しかし出店できるのは、梅園内一時出店組合の加盟店と、市内の飲食・菓子団体に加盟し、希望する店に限られている。梅園を管理する市は「熱海梅園の魅力を引き出し、来客が満足し、出店者も納得する仕組みづくりが必要ではないか」との考えを示す。2017年度にはイベント時の出店ルールを含めたマネジメントプランの策定を進める。

 「昔は梅まつりに、40軒もの店が出ていたと聞く」と市公園緑地室の野中慎也室長は話す。店がひしめく状態が梅の観賞の妨げになるといった意見や、出店のルールが明確でないことが問題になり、同組合は1997年6月、梅まつり期間の出店に関し「一氏一代限り」とする誓約書を当時加盟していた18軒の代表者の署名入りで市に提出した。

 その後、加盟店の代替わりが進む中で年々、出店は減っていった。逆に「何か食べるものがあるとうれしい」「土産を買いたい」といった声が観梅客から寄せられるようになった。

 大規模リニューアルを終え、梅まつり期間の入園を有料化して以降、客のニーズと「一氏一代限り」という“既存のルール”との兼ね合いが課題となった。ルールがある以上、個店の出店が認められないという現状を踏まえ、苦肉の策として梅まつりを主催する市観光協会が2012年に採用したのが、飲食3団体(熱海料飲連合会、県飲食業生活衛生同業組合熱海支部、社交飲食業生活衛生同業組合)や熱海菓子商工業組合を通じた出店だった。

PRが不十分

 現在、一時出店組合の加盟店は、茶、和菓子、うぐいす笛の店の3軒のみ。今年はそのうち、1軒が出店を見送った。飲食・菓子団体からは4軒が出て、花も団子も楽しみたいという観梅客のニーズに応える。

 しかし飲食や土産物の出店情報は、梅まつりのPRチラシなどに掲載されず、「熱海梅園には出店がない、というイメージのまま来る客が多い」とこぼす出店者もいる。

 「PRして客が梅園に集中してしまうと、街中の飲食店へと客が足を運ばなくなる。兼ね合いが難しい」「街全体のバランスを考える必要がある」と市や観光関係者は指摘する。「近年は梅園と、来宮神社、あたみ桜糸川桜まつり会場の糸川遊歩道へと周遊するルートができつつある。梅園内の出店をどれだけ充実させるか見誤るとバランスが崩れる」といった声も上がる。

インフラの整備

 市は梅園の在り方を見直し、“使いやすい公園づくり”に向けて検討を進める。野中室長は「通年でイベントなどに利用でき、出店しやすいインフラの整備が必要なのではないか。施設の位置付け、維持管理を含めたマネジメントプランを作っていきたい」と話す。

(熱海新聞福島安世記者)

 【写説】「梅まつり」開催中の梅園内に並ぶ飲食の出店=熱海市梅園町