伊豆碁聖戦決勝

 ■黒・山本和一七段(松崎町 六目半コミダシ) 白・内田峻介六段(熱海市) 観戦記/宗像克典(日本棋院普及指導員)

 今日からは昨年秋に大仁市民会館で開催された、伊豆日日新聞杯の無差別クラスにあたる碁聖戦の決勝をお送りします。

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 黒番の山本さんは松崎町在住の強豪です。松崎町では大体毎月第3土曜日に町役場にて誰でも参加できる月例会が行われていて、山本さんはこの地域・大会の腕自慢的存在です。白番の内田さんはバリバリの若手、いわば熱海囲碁界のホープで、将来が楽しみです。大局観が良くて無理をしない碁を打ちます。ベテラン対新鋭の一騎打ちとなった対局、元伊豆本因坊・伊豆碁聖の西島信也さんに検討をお願いしました。

 左上であまり見慣れない形ができました。従来の定石例一つを参考図1で示しますが、白は外回りに出る変化を採りました。黒7では、例えば簡明に参考図2のように打てば右上の星石が働いてきます。黒3ではすぐ5に打つのもあり(白4では5に先に開かれるかもしれないので)、実戦黒7と打つか、参考図2の黒1と打つかは好みの問題かもしれません。

 黒49は部分的には重要な手です。例えば参考図3のように打つとすると白8まで下辺進出が止められて、黒不満なのですがこうなるとすればこの局面では黒は悪くないのでは。実戦の白50が好点だったので(敵の好点を先に打つ)黒1が白の厚みをぼかしています。さらに右下黒ががっちりしているので下辺白がやや不安定な感じです。白10で仮にAかBと固く打つなら黒10ヒラキがあります。白50で左辺に大氷原が広がってきました。

 【図版】第1譜(1~50)

 【図版】参考図1

 【図版】参考図2

 【図版】参考図3