0312囲碁譜面

 ■黒・山本和一七段(松崎町 六目半コミダシ) 白・内田峻介六段(熱海市) 観戦記/宗像克典(日本棋院普及指導員)

 西浦ミカンには囲碁にまつわる伝説があるそうです。昔ある人が木に大きな実がなっているのを見つけました。中をのぞくと仙人が碁を打っていたので驚いて叫んだら、その実はたくさんの種をばらまいて粉々になりました。その種を植えてできたのが西浦ミカンだということです(「二人の本因坊」永岡治、静新新書より)。本因坊丈和や秀和もこの話を聞かされていたのでしょうか。

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 左辺から中央にかけての白模様をどう消すかが黒の課題となった場面です。黒55や61と打ち、模様消しにかかります。黒65がどうでしたか、白66と両ノゾキを露骨に突かれて苦しくなってきました。黒65では参考図4のように打ち、AやBからの侵入を狙います。黒1に白はどう打つか難しいと思います。黒77がすぐ必要だったか、白78とまた好点に先着され、山本さんさえません。

 後日談では体調が今一つだったので、手堅くなり相手の言いなりになっている一因になっていたとのことです。とは言うものの下辺次第では地の勝負に持っていけそうです。なので黒91では92に武骨に出ては。筋悪味悪ですが勝負に出てみたい感じでした。白92と打たれ黒地はあまり大きくなりませんでした。

 【図版】第2譜(50~92)

 【図版】参考図