読者の皆さんは本物の漁業者・漁師さんと会ったことや話をしたことがありますか? 現在、全国で約17万人が漁業に従事しています。意外に多い、あるいは少ないと思われますか?

 漁業の盛んな地区では当たり前のことでも、都会ではもちろん、伊東市内でも本物の漁師さんに会ったことのない方は、たくさんいるのではないのでしょうか。実は私も現職に就くまでは、定置漁業に従事しているのは年配の方が多いと思っていました。

 数年前、毎年開催される定置漁業生産技術研修会に初めて参加し、出席者の皆さんがあまりに若いのに驚きました。茶髪やかっこいいハンサムな若者が多いのです。私どもが2015年に実施した会員の経営実態調査の結果、大型定置漁業従事者の平均年齢は42・8歳でした。その前の調査では30代後半だったので若干年齢が上がったものの、まだ40代前半となっています。

 20~30代が主の漁場もあり、地元出身者を中心に漁業者育成機関や水産高校・大学の卒業生、前職は新聞記者、ホテル支配人、すし職人や宝石屋さんまで、多種多様な経歴の持ち主や県外出身者など多くの方が従事し、各漁場の幹部として日々活躍しています。

 定置漁業で漁労技術を習得し地元との信頼関係を築いた若い定置漁業者が、漁協の組合員資格を得てエビ網や採貝、採草、一本釣りなどの浅海漁業を兼務するなどして、漁業権などの問題もあり農業に比べ新規参入が難しいとされる沿岸漁業の貴重な後継者となるとの事例が一部に見受けられ、非常にうれしいことと思います。東京などで開催される漁業就業フェアでは、首都圏に近い伊豆の定置網は非常に人気が高いとのことです。