釣れたイワシを見せる太洋君=松崎町の松崎新港

 ■群れ回遊、5~10センチ級50匹―東京都加藤さん一家

 松崎町の松崎新港では大型連休中、イワシが回遊し大勢の釣り人でにぎわった。東京都江東区から訪れた会社員の加藤隆さん(44)、史絵さん(40)、太洋君(9)、悠太君(6)一家は5日、手軽なサビキ釣りを楽しんだ。

 隆さんと太洋君は船釣りがメーンで、イサキやタチウオなどを狙っている。伊豆地区では下田や東伊豆の北川に釣行している。岸壁での釣りは久しぶりという。隆さんは家族釣行を「風景を見て四季を感じたり、家族で会話ができるところがいい」と話す。

 岸壁は100人近くが入り満員状態。釣り座は港入り口すぐの岸壁で、午前10時ごろ開始した。タックルは1・1メートルのリールざおにスピニングリールの1000番、道糸が1号。サビキは幹糸2号、ハリス0・8号、針が白ハゲ皮付き2号の5本針で、サビキの下にナス形6号の重りを付けた。足元の水深は約6メートルある。

 仕掛けを落とし、底から30センチほどのタナを釣る。目の前にイワシの群れが回ってくるので、時折コマセのアミをまき、魚を寄せる。太洋君がさおをシャクリながらサビキをアピールすると「来た」と声が上がった。小気味良い引きで釣れたのは5~10センチ級のイワシだ。悠太君も場所を変えながら、ぽつぽつと釣っていく。

 群れが来れば釣れる状態で、午前中には多点掛けもあった。正午までの釣果は50匹以上で、隆さんは「これでアンチョビを作る」と話した。太洋君は「釣れないとくやしいけど、最初にたくさん釣れてくれたから楽しかった」と喜んだ。

 ■慎重に寄せ20センチアジ 下田港・福浦堤防でカゴ釣り

 下田市の下田港・福浦堤防は、伊豆地区でもトップクラスの釣り場だ。水深があり潮通しも良く、マダイや青物、カサゴ、アオリイカなど多彩な魚が狙える。沼津市の建設業後藤直紀さん(28)は4日、マダイ狙いのカゴ釣りでアジを釣った。

 後藤さんはルアーで青物狙いをしていたが、6カ月ほど前にカゴ釣りを始め、静浦港などに月に4、5回釣行している。

 風もなく穏やかな状態で、20人ほどがさおを出していた。入釣ポイントは先端の外海側。さおはダイワの剛徹4号5・7メートル、リールは両軸でアブガルシア・アンバサダー6500CSロケット、道糸はナイロン6号。仕掛けは羽根浮き18号にカゴも18号、ハリスは3号で6メートル、針はマダイ9号を使った。コマセはアミにイワシの粉末餌を混ぜた。食わせ餌はオキアミの1匹掛け。

 60~70メートル投げ、タナ20メートルを攻める。さおをしゃくり、コマセをまきアタリを待つ。潮は左に流れていた。

 午前8時ごろに浮きに反応が出た。スッと浮きが沈んだ。アワせると引きでアジと分かり、口切れしないように慎重に寄せ20センチ級を上げた。その後、すぐに同型を追加した。時合いは短かかったが、後藤さんは「取りあえず釣果なしは避けられた。魚は刺し身にしたい」と話した。

 ■アオリイカ釣り大会開催 熱海のF・サンワ

 熱海市和田浜南町の釣具店「フィッシングショップ・サンワ」は1日~6月30日まで、「第5回熱海アオリイカ釣り大会」を行っている。

 期間中、ヤエンまたは浮きで釣り上げたアオリイカ2匹の総重量で競う。エギは対象外。釣り場は初島と渡船を含む同市内で、離岸堤は除く。参加費500円。検量は午前8時~午後7時に同店で行う(木曜日定休)。参加証を提示して釣り場、時間を申告する。豪華釣り用品など賞品を用意した。申し込みは同店〈電0557(81)3967〉へ。

 ■へぼ釣り師が行く!(18)=イカ釣りは化かし合い アオリは頭がいいか、悪いか

 この大型連休中、伊豆各地の堤防はアオリイカ狙いの人たちでにぎわった。アオリイカは春先に産卵のため深場から浅い藻場に上がってくるので、それを狙うのだ。5~6月にかけて、でっぷりと太ったキロ級も交じるし、非常に美味なので釣り人はあの手この手でアオリイカに挑戦する。

 アオリイカは、「エギ」と呼ばれる引っ掛け針の付いた疑似餌を使うか、好物のアジを泳がせて釣るのが一般的。ところがアオリイカは極度に用心深いので、少しでも仕掛けに不自然なところを感じると無視されてしまう。その知恵比べ、化かし合いがイカ釣りの妙味だ。

 釣り人の間では「すれてしまうとイカは釣れなくなってしまう」と言われる。「すれる」というのは、何度も同じ仕掛けを投入しているうちに、いとも簡単にイカに仕掛けを見破られてしまうことを指す。「春先に数が上がったが、田子(西伊豆町)のイカはすれちゃって、このところさっぱりだ」とか、「妻良(南伊豆町)のイカはすれていないので、よく釣れる」といった会話がされる。本当だろうか?

 1度、エギや泳がせたアジに飛び付いて痛い目に遭ったイカが、2度と同じ仕掛けに乗らないということは、理解できない訳ではない。いわゆる学習能力である。しかし痛い目に遭ったイカが、仲間に自分の経験を伝達することができるのだろうか。

 イカは体色を変化させることで、簡単なコミュニケーションをとっている。しかし痛い経験をしたことのないイカが、仕掛けに飛び付こうとする際に、そばにいた別のイカが「それは危険だ」と警告を発するだろうか。へぼ釣り師には、イカにそんな高度な伝達能力があるとは到底思えないし、釣れなかったときの言い訳にしているような気すらする。

 しかし釣り人がほとんど訪れない地磯でさおを出すと、1投目から飛び付いて来ることが多いのも事実である。多くの釣り人は「すれる」ことを信じているし、へぼ釣り師も「すれ説」を全面否定するつもりはない。

 一方、仕掛けに飛び付くのに非常に慎重なアオリイカも、いったんアジに抱き付いて食べ始めると、食べることに夢中になってしまい、周囲の状況が見えなくなってしまう。道糸をゆっくり巻き上げても、アジを手放さず水面まで姿を現すイカも多い。

 へぼ釣り師が昨年12月に釣ったアオリイカは、防波堤の上に抜き上げられても餌を食べ続けていた。自分の置かれている状況が全く分かっていない。うまいものを食べている人が突然、水の中に落ちても食べ続けるわけがない。そんなイカの姿を見ると、つくづく頭が悪いなと思う。

 イカは頭がいいのか悪いのか、機会があれば専門家に聞いてみたいところだ。ただ、釣れれば人がイカとの化かし合いに勝ったのであり、釣れなかったときはイカが仕掛けにだまされなかったと言えるのではないか。今日も人とイカの化かし合いが繰り広げられている。

 (西伊豆町、団体職員・地尾信幸)

 【写説】釣れたイワシを見せる太洋君=松崎町の松崎新港

 【写説】20センチ級のアジを手に笑顔の後藤さん=下田市の下田港・福浦堤防

 【写説】防波堤でも餌を手放さないイカもいる=伊豆市土肥

 【図表】伊豆の場所別釣果情報

 【図表】潮時表