消費者保護の法律で高齢者守る

 前回まで詐欺や強迫による取り消しや錯誤無効の話をしてきました。これらは、意思表示の取り消しや、無効を主張する側に立証責任があります。「だます意思」(詐欺)、勘違い(錯誤)という内心の問題でもあり、実際には立証が難しい場合が多いといえます。

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 そこで、詐欺取り消しや錯誤無効のような民法の一般的な規定ではなく、消費者保護のための法律を用いて、高齢者の権利を保護することが考えられます。具体的には、消費者契約法、特定商取引法という法律があります。どちらも事業者と契約した消費者を保護するための法律です。

 消費者契約法は、契約全般について適用があり、契約を勧誘する際に事業者に一定の不適切な行為があったとき、消費者が契約を取り消すことができるものとしています。

 特定商取引法は、その名の通り、訪問販売や通信販売など消費者と事業者の間でトラブルが生じやすい特定の取引類型を対象にしています。そのような特定の取引類型について、事業者が守るべきルールと、消費者を保護するための規制等が定めています。

 次回以降、この二つの法律で高齢者の権利保護にも使えそうな規定を見ていきます。

(小田原市・伊奈綜合法律事務所、伊豆の国市出身)

 【写説】消費者契約法、特定商取引法など消費者保護の法律で高齢者の権利を守ることを考える